ごあいさつ
この画集は、十二神将を絵画として私なりのイメージで描いたものです。
十二神将は人間界に近く、過去には傍若無人に振る舞いヒンドゥー教やバラモン教などのインド宗教などを取り入れながら薬師如来に出会って以降、改心して彼の眷属となった者たちです。如来が説く経典を信ずるものを護り、如来が唱えた十二の大願を守護し衆生に施し、諭す事を自らの任とわきまえた諸将は私の中で逸話となりモチーフとなりました。
憤怒の形相は時として静かに諭し寄り添う神将を表し、武器やその力でその任を遂行しようとしない神将が出現しました。何よりも所作や形相、容姿、衣装には特段の決まりがなくイメージの自由な飛躍ができたことは幸いです。
観ていただいた方々に、私の手から生まれた十二の神将たちが何かを伝えてくれればと思っています。
驢庵